シカオ学
スガシカオ デビュー19周年!
めでたいっ!
しかも最新アルバム『The Last』が本当に久々(と言っていいでしょう)の大大大傑作!
「久しぶり」なのに「初めまして」。
生きていて本当に良かった! ありがとう、ありがとう、ありがとうっ!!!
・・・ビックリマーク連続でさぞテンション高い奴だと思われるでしょうが、実はそうでもないのです。
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スガシカオの音楽のおかげで生き存えていられた時期がある。正確には1998年から2002年の5年間。息をしているだけにはなりたくないと思いながら、生きているとはとても言えない時間。スガシカオの音楽だけが、重さはないのにリアルに手で触れられるモノとして、自分と現実をつないでくれている唯一のモノとしてそこに流れていた。
あれからもう十数年が経とうとしている。社会に出て、結婚をして、子が生まれて・・・。自分を取り巻く状況は変わり、自分も状況に合わせて成長したように感じていた。
あの頃のスガシカオの音楽を今でも聴く。懐かしく思うこともあるし、「あの頃は何をそんなに塞いでたんだろう。もう少し上手くやれていただろうに」なんて思ったりもする。あの時の感情が呼び覚まされて少し胸がザワつくこともあるけれど、「それはそれ」として日常生活を送ることに苦労はしない。
・・・はずだった。
『The Last』
なんて危険な音なんだ。
今の自分は「本当の自分」なんだろうか。周囲からみたら「幸せな状況」なのは良くわかっている。でも死まで続くこの一本道を、このまま歩いていていいのだろうか。
「成長した」と思っていたのは全くの幻想だった。ただ周囲の状況が変っただけで、自分はあの「踊り場」から一歩も動けていなかった。どこかで見たことがある光景だと思ったら、お釈迦様の手のひらの上ではしゃいでいた孫悟空だ。圧倒的な絶望。
現実との距離感を見失いかける。
暗黒面に吸い込まれそうになる。
でも、あの頃と違っていることが確かにある。その存在を接点に、現実と繋がっていられる気がする。
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新しいアルバムを聴いて、ここまで感情を揺さぶられるとは思っていなかった。スガシカオの音楽の破壊力を甘く見ていたわけではなく、自分への見積もりが甘かった。
そんなスガシカオの音楽に敬意と畏怖の念を抱きつつ、コトバを紡いでいこうと思う。